クローン病や潰瘍性大腸炎の基礎的な医療情報です。


クローン病における検査について
a.レントゲン検査
1.注腸造影
肛門から、注腸用のバルーンカテーテル(管)を挿入し、バリウムを入れ、大腸全体像をみる検査が全体像を把握するのに有効です。注腸造影で大腸型クローン病は一般的に縦走潰瘍、敷石像、飛び石状の潰瘍、腸管の狭窄など多彩な所見がみられるのが特徴です。回腸とS状結腸、あるいは膀胱(ボウコウ)など周囲の臓器、皮膚との瘻孔(ロウコウ)を形成されることもあります。潰瘍性大腸炎に比べ病像はかなり多様性があるようです。
狭窄病変(クローン病) 注腸による大腸全体像(クローン病)
狭窄病変(クローン病) 注腸による大腸全体像(クローン病)

2.小腸造影検査
小腸造影検査はクローン病に特有の必須の検査です。注腸造影と小腸造影を合わせてクローン病の病型を決めます。この検査は、小腸二重造影と呼ばれます。小腸造影用のチューブ(かなり太く辛い検査)を鼻から挿入し喉を通り十二指腸まで留置します。過去に手術歴のある方は、腸管走行が通常の人と変わっているため、留置に苦労するようです。

十二指腸に留置がなかなか出来ない場合は、ガイドワィヤーを使用します。十二指腸にカテーテル(チューブ)が挿入出来たら、バリウムの逆流を防ぐために、バルーンを膨らませます。回腸末端#、回盲末端部#にバリウムが到達したことを確認して空気を送り込み、小腸の動きを止める注射を投与し速やかに撮影を行います。
クローン病の小腸病変は縦走潰瘍#(ジュウソウカイヨウ)が主体であるが、円形の潰瘍も認められます。特徴的な所見として、瘻孔(ロウコウ)や狭窄もしばしばみられます。
縦走潰瘍
縦走潰瘍

b.内視鏡診断
 
内視鏡での検査は大腸内視鏡でクローン病変を観察します。小腸鏡で小腸を観察することは通常行わないようです。その理由は小腸鏡の操作性が良くないことにあるようです。全身麻酔が必要なこと、狭窄がある場合危険を伴うことなどが考えられます。

 しかし、筆者は小腸内視鏡検査を京都の大学病院で検査を受けることになりました。その際には、改良された痛みを緩和する薬剤を静脈より投与していただき(セデーションと言います)十二指腸・空腸を検査して戴きました。検査の結果は、小腸鏡で観察する限り病変は無かったそうです。そこから先端の小腸部へ水溶性造影剤を流し込んでついでに小腸造影の検査も済ませて貰いました。
大腸内視鏡検査は、クローン病の初期病変が考えられるアフタ様の微細な病変も発見が可能です。アフタとは、粘膜に出来る円形の潰瘍のことを言います。縦走潰瘍やその他の形態をした潰瘍が伴うことが多いですが、アフタ様病変を生検すると肉芽腫(微細で丸い突起のようなもの)の陽性率が高いようです。

クローン病患者さんの胃の内視鏡所見においても肉眼的に異常が無くても、組織を取り出し染色し、顕微鏡検査すると特異な所見が報告されています。

内視鏡時の痛みの緩和する方法
 内視鏡は我々にとって非常に痛く辛いものです。本当に痛くて検査不可能になる場合も多く聞いています。術者が技術的に未熟な場合や反対に患者さん側が、炎症が強い場合や狭窄などがあることにより非常な痛みを伴います。多くの患者さんの場合観察目的で内視鏡検査が行なわれる場合が多いので、小児用の内視鏡を使用してもらうという方法があります。
もう一つが先ほど述べましたセデーションという痛み止めを使用してもらう方法です。一般的に用いられるのがセルシンという薬を筋肉注射します。しかしこれも最初は非常に効くのですが、何回か使用している人は薬剤耐性というのがつき薬の効きが悪くなります。最近は、ドルミカム静脈から注射し、スタドールを併用し、鎮静レベルをコントロールするようです。非常に良く利く反面、覚醒をしにくくなります、つまり患者さん側としては記憶が飛びます。

カプセル内視鏡
 新しい小腸診断機器としてはカプセル内視鏡が保険適応されました。ギブン画像診断システムは、イスラエルのギブン・イメージング社製で2001年に米国で発売されて以来、世界60カ国以上で販売され、累積使用数は60万症例以上となっている。国内では唯一の小腸用カプセル内視鏡として4月23日に薬事法に基づく承認を受け、5月30日に販売を開始し10月1日付けで保険適応となった。
カプセル内視鏡→これは発売前のDDW2003で配布されていたモックアップ(現在販売中のものは外観デザインが変更されている。)

他にはオリンパスメディカルシステムズのカプセル内視鏡や、株式会社アールエフはNORIKA3という名前の第一世代カプセル内視鏡に続きSAYAKAを2005年12月発表している。第2世代は、カプセル内部で、撮影部が回転しながら消化管内を進み、ほぼ全方位撮影し、イメージ画像を作成が可能。しかしながら、いずれも狭窄患者や過去に開腹手術で腸管の癒着が想定される場合は、適応外となる。一昔前まで、ミクロの決死隊と想像されていたのが現実的になってきた。将来的には鉗子(手術用操作機器)、ポリペクトミー(切除用メス)、DDS(薬剤放出用カプセル:ドラッグデリバリー)などの応用もしくは、更に小さくなるなどの進化が考えられる。
 
c.鑑別診断

感染症腸炎(特に出血を伴う赤痢等)、アメーバー赤痢、放射性腸炎、日本住血病、腸管型ベェーチェット(目や皮膚、陰部に症状がでるのが多いのですが、その特殊型として、腸管に潰瘍が出来るタイプを言う)、放射性腸炎、虚血性大腸炎、キャンピロバクタ腸炎、潰瘍性大腸炎等を除かねばなりません。*2

2. 栄養療法について
3. 薬物療法

Mimibukuro Contents Since 1999-09-11 degudegu *画像提供 兵庫医科大学 消化器内科 小坂正先生 現在、ご実家の山川医院の院長をされております。