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2008年 9月 27日 土曜日

クローン病

クローン病は、最初に報告した医師の名前に由来しています。英語ではCrohn’s Disease略して(CD)と呼ばれています。炎症を起こす口から肛門まで消化管で炎症を起こす病気です。クローン病を他人に説明する際に困ると言う相談を何度と無く受けます。クローン病は、病気を知らない人は、最初に名前を聞いてクローン技術、クローン羊で有名な「クローン」を連想されやすいです。

非常に説明の難しい腸の難病ですが、他人に最初に病気のことを手短に説明する場合は「腸に炎症が起きる病気です。」と言えば良いでしょう。もう少し話を聞いてもらえる場合なら「腸管が、炎症を起こし、お腹の調子が悪くなり、下痢したり、発熱したり、貧血気味になったりします。」と説明すれば、何となくどんな病気か理解して貰えるのではないでしょうか?もう少し病状を打ち明けられる相手には、「食事制限が厳しくて食べられないものが結構あります。」と言うことを付け加えれば良いかと思います。クローン病の患者数はで特定疾患受給者証の数で見ると30,000人(2009年度*1)、人口10万人あたり約23.5人のクローン病患者さんがいることになりますが、欧米に比べると9分の1前後です。アメリカには約26万7千人、世界には43万7千人の患者がいると言われております。*2

患者として知っておく必要のあること

この病気は、原因不明で、若い年代に多くみられます。消化管のどこでも発症する可能性があり、繊維化(細胞間の組織固くなる状態)や潰瘍をともなう肉芽腫性炎症病変(赤く腫れ物のような出来物が現れ、炎症を起こしている状態)を起こします。症状として、発熱、栄養障害による体重減少、貧血による立ちくらみ、関節炎、紅虹炎(目の病気)、肝障害、下痢、痔瘻(ジロウ)の悪化等が、挙げられます。

敷石状潰瘍

クローン病の特徴的な潰瘍|敷石状潰瘍

現在、クローン病に対しては、積極的な外科治療は行われておらず、主に内科治療で、効かない場合に外科手術適応となります。すでに手術を受けた方がフォローアップのために外科で診察を受けているケースが多いようです。

手術をすぐ行わないのは以下の理由があります。病気の特徴として、病変部位が、飛び飛びに現れるケースが多いこと。そのため手術で摘出する部分が多くなります。吻合部(手術でつなぎ合わせたところ)から再発しやすいという傾向があり、また吻合部の狭窄が高率におこります。5年後の累積手術率は、30%、10年で70%と非常に高く、複数回の手術を行う可能性があるからです。また一度開腹手術を行うと腸管の癒着がおきます。手術を繰り返す度に、腹膜や腸管の癒着を剥がす作業に時間が必要になり、結果的に大手術となります。一般的に3回目以降はかなり大手術になります。 *3大手術といってもイメージが湧きませんよね。私の経験上、麻酔を含めて5時間以上となるという感じでしょうか。外科医にとって一日仕事という感じですね。

手術の絶対適応例 :必ず適応となる場合

1. 腸閉塞(イレウス):腸及び大腸が、部分的に極端に炎症等で細くなってしまった場合に食べたものが、通過出来ない状況。
2. 穿孔(センコウ):文字通り、腸管が破れてしまった状況。
3. 大量出血
4. 中毒性巨大結腸炎:高度な排便障害と頑固な便秘、腹部膨満感と栄養低下が起こり、ついに死亡する。中毒性巨大結腸は、潰瘍性大腸炎の合併症の一つですが、まれにクローン病でも発生する。
5. 癌合併

手術の相対適応例 :様子を見て手術となる場合

*3
1. 膿瘍(ノウヨウ)・内瘻(ナイロウ)、外瘻(ガイロウ):腸管に、出来た潰瘍から深い裂溝や縦割れの潰瘍(縦走潰瘍)に発生し、更に進行してついには瘻孔が、形成される。外瘻の85%が痔瘻(ジロウ)です。あとは腸管皮膚瘻。内瘻は、回腸-大腸瘻、回腸-回腸瘻、回腸-膀胱瘻、大腸-膣瘻などがあります。
2. 内科治療の無効例
3. 難治性狭窄
4. 肛門部周囲病変
5. 発育障害 : 小児期に発育障害が高度な症例では、骨端線が閉じるまで(骨の成長が止まる前)に手術の必要があります。
6. 腸管以外の合併症

*1 難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班  第5回市民公開講座「炎症性腸疾患の治療をめぐって」  平成21年2月8日
*2.Human Genome Sciences Repifermin Background より
*3川上 和彦 馬場 正三 crohn病の手術適応と術式 外科 59巻11号 1997-11 pp.1306-1309

タグ: 敷石, , 痔瘻, 未分類, 合併症

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