クローン病

クローン病と診断されて手術をすぐ行わない理由

病気の特徴として、病変部位が、飛び飛びに現れるケースが多いこと。そのため手術で摘出する部分が多くなります。吻合部(手術でつなぎ合わせたところ)から再発しやすいという傾向があり、また吻合部の狭窄が高率におこります。5年後の累積手術率は、30%、10年で70%と非常に高く、複数回の手術を行う可能性があるからです。また一度開腹手術を行うと腸管の癒着がおきます。手術を繰り返す度に、腹膜や腸管の癒着を剥がす作業に時間が必要になり、結果的に大手術となります。一般的に3回目以降はかなり大手術になります。 *3大手術といってもイメージが湧きませんよね。私の経験上、麻酔を含めて5時間以上となるという感じでしょうか。外科医にとって一日仕事という感じですね。

クローン病の手術が絶対適応となる(必ず適応)場合

1. 腸閉塞(イレウス):腸及び大腸が、部分的に極端に炎症等で細くなってしまった場合に食べたものが、通過出来ない状況。
2. 穿孔(センコウ):文字通り、腸管が破れてしまった状況。
3. 大量出血
4. 中毒性巨大結腸炎:高度な排便障害と頑固な便秘、腹部膨満感と栄養低下が起こり、ついに死亡する。中毒性巨大結腸は、潰瘍性大腸炎の合併症の一つですが、まれにクローン病でも発生する。
5. 癌合併

クローン病の手術が相対適応(様子を見て)となる場合

*3
1. 膿瘍(ノウヨウ)・内瘻(ナイロウ)、外瘻(ガイロウ):腸管に、出来た潰瘍から深い裂溝や縦割れの潰瘍(縦走潰瘍)に発生し、更に進行してついには瘻孔が、形成される。外瘻の85%が痔瘻(ジロウ)です。あとは腸管皮膚瘻。内瘻は、回腸-大腸瘻、回腸-回腸瘻、回腸-膀胱瘻、大腸-膣瘻などがあります。
2. 内科治療の無効例
3. 難治性狭窄
4. 肛門部周囲病変
5. 発育障害 : 小児期に発育障害が高度な症例では、骨端線が閉じるまで(骨の成長が止まる前)に手術の必要があります。
6. 腸管以外の合併症

*1 難治性情報センター
*2.Human Genome Sciences Repifermin Background より
*3川上 和彦 馬場 正三 crohn病の手術適応と術式 外科 59巻11号 1997-11 pp.1306-1309

ページ:
1

2

ピックアップ記事

  1. ヒュミラの改良版がようやく使えるようになりました。薬液量が半分になり、添加物に注射時の痛みの原因物質…
  2. ゼリア新薬工業株式会社は、2016 年 11 月 29 日にクローン病治療剤「ゼンタコート®カプセル…
ページ上部へ戻る