クローン病|外科治療について

クローン病では、狭窄、閉塞(イレウス)、瘻孔(ロウコウ)、膿瘍(ノウヨウ)、難治などが主な手術適応となります。この他の条件として穿孔(センコウ)、大出血、発育障害、腸ガン、肛門病変などに対して手術が行われます。病変部位の切除が原則ですが、小腸の狭窄には、狭窄形成術が行われます。手術を行い緩解した患者さんにプラセボ(疑似薬)を投与し治療をしなかった場合、2年以内の再発率は40-63%と高率です。緩解後も再発予防のために、外来通院した方が良いでしょう。

1.手術率、累積手術率

クローン病の手術率は潰瘍性大腸炎より高い。これは病変部位が広いこと、また腸壁全層に及んでいるためです。厚生省特定疾患研究班の内科9施設の集計によると累積手術率は、発症5年で30.3%、10年で70.8%でした。病変部位を小腸型、小腸大腸型、大腸型に分けて検討すると各病気の部位による手術率の差はなかった。外科の報告や欧米の報告によると手術率はもっと高く、病変部位別でみると、大腸型の手術率は、小腸型、小腸大腸型より低いと言われています。一方、九州大学第2内科青柳先生らのクローン病74例の報告では、もっと低い値ではあるが、いずれにせよ累積手術率は高いようです。*2
重症のクローン病では術後も再燃率が高く、7割以上が4-9ヶ月の早期に残存小腸病変の再燃を来たします。クローン病の手術率は発症後5年で33.3%、10年で70.8%と高く、さらに手術後の再手術率も5年で28%と高率であることから、再燃・再発予防が重要である。診断後10年の累積生存率は 96.9%となっております。*12

2.手術適応

クローン病の手術適応となる病態をそれらの頻度を示します。狭窄48例(56%)、閉塞(イレウス)10例(7%)瘻孔(ロウコウ)23例のうち、内瘻(ナイロウ)19例(12%)、外瘻(ガイロウ)4例(3%)、膿瘍(ノウヨウ)11例(7%)、穿孔(センコウ)6例(4%)、難治6例(4%)、出血3例(2%)、栄養障害3例(2%)、ガンまたは疑い3例(2%)、手術中に発見2例(1%)です。少し古いですが平成六年度の資料によると86名の手術を行った患者さんは、手術前のIOIBDスコアー平均3.1で(0-7)でした。*3
1)狭窄、閉塞(イレウス)
狭窄、閉塞(イレウス)は合わせて全手術の63%を占める手術適応で、一番多い病態です。これは内径の狭い小腸に多く、小腸型手術の55%、小腸大腸型の35%、大腸型の12%を占めていました。小腸の内腔が5mm位(造影検査で判断)になると腹痛が出現することが多い。狭窄が激しくなると、消化吸収障害を起こします。線維性狭窄は栄養療法で症状が軽減しても、狭窄自体の改善は望めません。手術してみると腸壁は1cm位に厚くなっていることが多く小腸の狭窄や閉塞は、患者さんの非常な苦しみを伴います。超音波検査やCTで腸管の肥厚を確認された時点で手術をした方が良いでしょう。大腸の狭窄は比較的に無症状で、あまり手術適応でなく内視鏡を見ながらバルーンを使った拡張術で改善する場合もあります。*1.*2.

狭窄部が長い場合は、バルーン拡張は、あまり有効では無いと思います。しかし手術前の1つの手法として有効な方法です。欠点として例え一時的に狭窄が解除出来たとしても再狭窄する率が高いことも知っておくべきです。

© 2008 – 2010, degudegu. All rights reserved.

ページ:

1

2 3

関連記事

ピックアップ記事

  1. ヒュミラの改良版がようやく使えるようになりました。薬液量が半分になり、添加物に注射時の痛みの原因物質…
  2. ゼリア新薬工業株式会社は、2016 年 11 月 29 日にクローン病治療剤「ゼンタコート®カプセル…
ページ上部へ戻る