HPN カテーテルについて

大阪大学医学部附属病院 機能制御外科学 特任 教授 井上善文先生 
発表時 所属:川崎病院 外科 総括診療部長

開催プログラムのタイトルが「在宅IVH*」ということになっておりますが、この言葉は、間違いです。HPNという言葉で覚えて下さい。クローン病の患者さんは、ほとんどの患者さんが 入院されると、高カロリー輸液を受けていると思われます。

inouede1

*家庭で静脈栄養を行うことにより入院生活から開放し、家庭・社会復帰を可能とする栄養法。

この高カロリー輸液は、IVHではなく、TPNという言葉が世界的に使われています。日本だけです、IVHという言葉があるのは。
今日、話を聞かれたんですから、病院で「今からIVHをします」といわれた時には、「私は、TPNを受けたい」と言ってもらうと、非常に知識があるなということでドクターの方もびっくりするのではないかと思います。

それでTPN(IVH)がどれだけ効果があるかといいますと、この方とこの方は同じなのですね。 こういう栄養状態の悪い人にTPN(IVH)をやると、ここまで変わりました。
在宅中心静脈栄養というのが保険適応になっていまして、これも在宅IVHという言葉ではなくて、HPNという言葉になっています。
「HPN」の「H」は、家(Home)で、「P」は腸をつかわない(Parenteral)、「N」は、栄養をする(Nutrition)という意味です。

  • 高カロリー輸液
  • Total Parenteral Nutrition (TPN)
  • Intravenous Hyperalimentation (IVH)
  • 生命維持に必要な栄養素をすべて静脈内に投与し、経口接取が出来なくても栄養状態を正常に保つことを可能にした栄養法。

TPN施行例

市民公開講座で話すということを若い者(研究者)にいうと、「大阪大学を宣伝してくれ」と。「先生は、静脈栄養だけをやっているのではなく、炎症性腸疾患やクローン病などもちゃんと治療しているんだということを言ってくれ」ということを言われました。

(大阪大学病院では)潰瘍性大腸炎を消化器内科で内科的治療をおこないながら手術適応を判断しています。腹腔鏡補助下での大腸全摘をやっています。

一番大事なのは、消化器内科の抗IL-6レセプター(受容体)抗体の研究をやっています伊藤先生が僕の大学時代からの同級生でございます。内科と外科が非常に仲がいいということでございます。
クローン病に対しても同じようなことをするんですけれども、お話するHPN(IVH)は、クローン病の治療ではなく、患者さんのQOL(生活の質)を上げるための手段として思っていることをご了解いただきたいと思います。 クローン病に対するHPN(IVH)の適応というのは、腸をたくさん切りすぎて経腸栄養を管理できないという短腸症候群。消化管狭窄が認められる場合に手術待機期間の栄養管理をおこないます。 患者さんによっては、まだ手術したくないという、例えば、一年経ったら大学に入るとか、就職するとか、その間、ちょっと待ちたい、手術せずに待ちたいという時にも一時的なHPN(IVH)もやります。

経腸栄養でHEN*をやると調子が悪くなるとか、下痢をするとかという場合にもHPN(IVH)の適応があると思います。 肛門病変が非常に高度に悪化し、エレンタールはできるんだけども、完全な絶食にしていた方がいいという時にもHPN(IVH)を考えます。

HPN(IVH)を完全に理解している医者というのは少ないので、みなさんの知識がすごいかもしれない。だから他のドクターに対してあまり教えてほしくないなという内容かもしれないんです。そこのところを気をつけて医者を責めないようにして欲しいと思います。

*Home Enteral Nutrition 在宅経腸栄養

© 2008 – 2016, degudegu. All rights reserved.

ページ:

1

2

関連記事

ピックアップ記事

  1. ヒュミラの改良版がようやく使えるようになりました。薬液量が半分になり、添加物に注射時の痛みの原因物質…
  2. ゼリア新薬工業株式会社は、2016 年 11 月 29 日にクローン病治療剤「ゼンタコート®カプセル…
ページ上部へ戻る