クローン病で使用される栄養剤としては、「エレンタール」、「ツインライン」があります。エレンタールは味の素ファルマ株式会社から発売されています。300kcalで80gの粉末を1ccあたり1kcalで溶きます。
「ツインライン」は大塚製薬グループより販売されております。A液(200mL)とB液(200mL)の2液からなり、混合して使用します。在宅には普及をしておりません。販売提携 大塚製薬株式会社 株式会社大塚製薬工場、製造販売元 イーエヌ大塚製薬株式会社
フレーバーという味をつけるものが各社より用意されています。最近はフレーバーの試作品を患者会に、栄養剤との相性が受け入れられるかどうかテストを行いより患者様の声を生かした取り組みがなされております。
エレンタールの方が、脂肪の含有量が少ないことが決めてとなり、クローン病の患者には一番多く処方されています。脂肪が少ないと腸管の蠕動(ゼンドウ)運動が起きなく安静な状態を保つことが出来ます。
味は、まずく工夫しないと、メーカー支給のフレーバーだけでは、口から飲むのは、厳しいようです。チューブを用い鼻から挿入し、胃もしくは十二指腸まで留置して栄養剤を流し込む方法が一般的です。注入速度を調節するために経腸栄養ポンプが使用されます。これら、栄養剤は、非常に消化しやすいように、タンパク質が分解されております。もっとも小さく分解されているのが、アミノ酸になります。アミノ酸が結合したタイプがペプチドという形態になります。エレンタールは、タンパク質がアミノ酸となった成分栄養剤と呼ばれ、エンテルードは、タンパク質がペプチドに分解された消化態栄養剤と呼ばれていますが、いずれも吸収が良すぎるため、浸透圧の問題が生じます。口から飲む(経口)より点滴のような形(経鼻注入法)でポンプを用いてゆっくり落とすことにより、浸透圧性下痢を防止することが可能です。
エンシュア・リキッド製造販売元:アボット ジャパン(株)などの半消化態栄養剤は、タンパク質が分解されておりません。食事を摂るよりは、残渣(ザンサ:食物のカス)になりにくいので腸管の負担が少ないという意味で処方される場合もあります。脂肪の含有量は成分栄養剤やペプチド栄養剤より多くなりますが、少量でカロリーがとれることと、味が良いということで昔は人気がありました。1缶250mlで250kcalあり、味は、バニラ、イチゴ、コーヒーがあります。缶タイプとバッグタイプの2種類の規格があります。
大塚製薬は、半消化態経腸栄養剤「ラコール」も販売している。販売提携 大塚製薬株式会社 株式会社大塚製薬工場、製造販売元 イーエヌ大塚製薬株式会社
食品扱いとなり、保険適応にならず、自己負担となってしまいますが、脂肪を全く含まず、タンパク質が分解されたペプチドタイプの商品「ペプチーノ」が(株)テルモより販売になりました。200Kcal 200ml 販売価格 6,000円 24パック入り
私自身は、大腸が短いこともあり、エンシュア・リキッドを飲むと下痢をしてしまうので、NGでした。潰瘍性大腸炎の人、あるいは腸管の状態が比較的良好な人、および大腸があまりダメージを受けていない人には問題ないようですが、実際にご自分で試して、下痢が起こるか観察してから本格導入を検討されるようにして下さい。
クローン病の患者さんへの脂肪摂取量は、各施設により栄養指導が異なりますが、1日20~30g以下と言われています。この事実を考えるとエンシュア・リキッドという栄養剤は保険適応といえお勧めできません。
現在、私自身は、夜間に経腸栄養ポンプを使いエレンタールを1,200Kcal、昼間に食事として「ペプチーノ」を1パック、残業時は、ペプチーノを1パック追加という形で仕事を乗り切っております。
栄養療法は、現在、クローン病において、薬物療法より効果的であるとされています。(抗体医薬/サイトカイン療法を除く*)

