レミケード 文献レビュー No.2

レミケードの作用機序
抗TNFα抗体は、血中に存在する炎症を起こす作用のあるTNFαに結合するだけでなく、マクロファージ(食細胞)や活性化T細胞の膜上にあるTNFαの作用を中和することにより、強烈な抗炎症効果をもたらすとされている。粘膜固有層の単核球(白血球)浸潤を著しく減少させ、粘膜固有層の単核球でのICAN-1(接着分子)、LFA-1(白血球のインテグリン**)の発現率の低下や上皮細胞でのHLA-DR抗原(異物と認識するところ)の異常発現が消失する。

臨床試験・結果

レミケードの臨床は、1992年Derkxらにより初めて難治性クローン病患者1例に応用される。*2

Targanらの1999年に行われた94名の活動期クローン病患者による多施設無作為二重盲検プラセボ*対照試験により、レミケードの適正投与が5mg/kg(体重1kgあたり5mg)が最も効果的であるという結果が示された。*3

2002年にHanauerらによって発表された573名の患者を対象とした多施設無作為二重盲検プラセボ対照試験ではレミケード5mg/kgの1回投与で2週間後には335名(58%)が改善を示している。
これらの症状の改善は内視鏡的にも改善されている。また、緩解維持効果も高く、複数回投与することにより緩解維持する効果がある。*4

  • *プラセボとは治験の効果を確かめるために治験薬投与群と比較して投与される偽物の薬。偽薬を投与されても、患者が本物の薬を投与されているという暗示効果で病状が良くなるケースがあるため。
  • **インテグリンとは細胞表面タンパク質のひとつで、主に細胞外に存在する超分子構造体への細胞接着、および情報伝達に関与する細胞接着分子である。

瘻孔に対するレミケードの効果
Targanらは94名の痔瘻もしくは腸管皮膚瘻の患者に行い5mg/kgで68%の患者で瘻孔の数が50%減少し、完全に消失した患者は55%であった。このスタディでも10mg/kgの結果は5mg/kgより悪い。*3
Lichtigerは、レミケードを痔瘻周辺部ならび痔瘻内へ直接注入し4週後に78%の有効であったと報告している。3例試行されている。*5

その他合併症
Feagan らによると難治性壊疽性膿皮症13名に対し6名が改善(46%)し、29名中69%が有益な臨床反応を示した。*4

Andusらによるとレミケード投与により154名のクローン病患者の内50%いた関節炎・関節痛患者が33%に減少したそうだ。

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