炎症性腸疾患

炎症性腸疾患について・皆様へのご理解を

炎症性腸疾患は、主にクローン病と潰瘍性大腸炎が含まれます。いづれも腸管を主とする難病で、腹痛・下痢・血便・下血・発熱・体重減少等の症状があります。患者数は特定疾患受給者証の数で見ると、クローン病で31,652人(2010年度*1)、人口10万人あたり約23.5人のクローン病患者さんがいることになります。

潰瘍性大腸炎は117,855人(2010年度*1)、10万人あたり82.2人。米国ではクローン病と潰瘍性大腸炎をあわせて100万人いると言われ、アメリカと比較すると日本の患者数は7分の1以下です。両疾患の増加は食生活の欧米化に伴って年々増加しています。炎症性腸疾患と定義される病気はまだ他にもありますが、このサイトでは、クローン病と潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)を炎症性腸疾患(えんしょうせいちょうしっかん)と定義しております。炎症性腸疾患を英語で言うとInflammatory bowel diseaseと言いその略語がIBDと言われております。この略語が短くて判りやすいので、IBDという名称が医療関係者だけでなく患者様の間でも普及した用語となっております。

参考までに患者会の名称にも多く使われており、患者数の多い病院ではIBD外来を標榜しているところもあります。いずれも未だ原因不明で、治療法が確立されておらず厚生労働省の特定医療疾患に指定されています。現在解明されている原因として腸管の免疫異常が深く関わるのでは無いかと言われています。本来人間が食事を食べる時に体内に入った食物を「異物」として認識していません。しかし破綻した免疫システム(白血球やマクロファージやサイトカインなど)は「食物を異物抗原」として攻撃するため腸管や消化管が傷害されます。薬剤による治療法はその場しのぎの対処療法であって完治までは至らず、緩解(かんかい)(調子が良くなる状態)と再発を繰り返します。緩解と再発を繰り返すことにより、傷ついた粘膜が良くなる仮定でひきつれをおこし、再発を起こして粘膜が浮腫(むくんで)また粘膜が修復されてひきつれを起こしていくと瘢痕化狭窄(はんこんかきょうさく)をおこし、更には狭窄部位が肥厚(ひこう)していきます。狭窄が酷くなると食物の通過障害を起こしいわゆるイレウスの状態になります。最終的には閉塞してしまい、そうなると手術適応になります。炎症が起こっていると腸管内や血液中は免疫システムが活性化された状態になっています。こういった本来は、体内に入っていく細菌を攻撃し、自己防衛の役割を果たす免疫系等が異常をおこし、攻撃すべき対象で無い食事等を抗原として自分を攻撃する病気を自己免疫疾患と呼びます。

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