炎症性腸疾患

クローン病は、口から肛門まで消化管全般に起こる病気で、手術をしても再発しやすいと言うやっかいな特長があります。現在のところ、消化管に負担をかけない成分栄養剤を服用するのが一番無難な治療法と言われております。

再手術により腸管が短くなっていくために如何に手術を避けるかが重要なポイントになります。発症年齢も低年齢化の傾向があり、食べ盛りの成長期の子供さんも多く、食べたいものを我慢しなければならないという患者自身の「自覚と忍耐」が必要になってきます。また子供を持つ親であれば、過剰な心配にもなり、どう子供と接すれば良いのか?こういった悩みも多くなると思います。この病気では食事療法が重要で啓蒙が必要となり、重要性を動機付けさせる側は、医師だけでなく、栄養士および看護師のしっかりした認識が必要となります。日・米では食事療法と薬物療法の考え方が大きく異なります。また医療費負担やその他公的社会保障制度も知っておかないと患者さん、ご家族にとっても負担が大きいものとなりますので、病院の社会福祉部、医療相談室などのソーシャルワーカーに話を聞くこともお勧めします。また患者さんを支える医療者側にも、極度に栄養状態が低下した入院患者さんに対してNST(栄養サポートチーム)という病院内の所属の垣根を越えて栄養状態を改善を中心とした取り組みも盛んになってきております。

日本 アメリカ イギリス
食事療法 和食を中心に繊維質および消化の悪いものやインスタント食品をとらなければ比較的容易である。食事指導内容が施設により格差がある。 脂っこいものが多く病気の多いのも頷けます。マクドナルドが食べれないとQ.O.L.(生活の質)が良いとは言わないらしい。 エリイミネーションダイエット(選択除去食)、低脂肪・低繊維食を中心とした食事療法の研究が進んでいる。
栄養療法 栄養剤が保険適応であり、栄養療法の普及と意味合いからしても日本が最も優れている。 鼻からチューブを挿入するという点および栄養剤の味の悪さから忍耐強く無い国民性もあり普及していない。
薬物療法 患者数が少ないことが阻害要因になりメーカーの参入も少なく遅れている。また治療効果の高い生物学製剤の承認には高いハードルがある。(ドラッグ・ラグ) 患者数に比例し、薬剤数や開発メーカーの参入も多く、治験も進んでいる。

*より良い情報を入手するのには、栄養療法は、日本の食生活に基づいた情報、薬剤はアメリカの情報(学術論文に基づいた)を選択する必要があります。海外の医療情報の選択に関して言語という壁がある以上、何が信頼できるかの基準を考えねばなりません。当ページではMEDLINE(アメリカ国立医学図書館)収載論文およびCCFA(アメリカクローン病財団)、Medscapeを参考にしております。

*1 難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班  第5回市民公開講座「炎症性腸疾患の治療をめぐって」  平成21年2月8日

 

ページ:
1

2

ピックアップ記事

  1. ヒュミラの改良版がようやく使えるようになりました。薬液量が半分になり、添加物に注射時の痛みの原因物質…
  2. ゼリア新薬工業株式会社は、2016 年 11 月 29 日にクローン病治療剤「ゼンタコート®カプセル…
ページ上部へ戻る