海外滞在中に医療機関にかかった場合の医療費について

海外で治療を受けた時の、医療費はどうなのか?皆さん疑問をお持ちのかたも多いと思います。実際はどうなんだろうということで、昔ソーシャルワーカーさんに記事を依頼した内容です。

日本の健康保険法では、原則として健康保険証を提示して保険診療をうけることになっている。海外には、日本の健康保険法にもとづく保健医療機関はないこととなるので、保険診療をうけることができない。
しかし、社会保険については、昭和56(1981)年3月からの「健康保険法の一部改正」の施行により、海外での医療費についても健康保険が適用されるようになった。国民健康保険については、平成13(2001)年より適用されることとなり、海外での治療費は海外療養費として療養費の対象となっている。 しかし、海外療養費の支給においては、次のような利便性の悪い点があるのも事実である。

「やむをえず海外でかかった場合」に限定される

現地ではいったん医療費を立て替え、あとで払い戻し請求(償還払い)となる支払い基準には日本国内の基準(標準額)が適用される。すなわち、日本国内の保険医療機関以外の医療機関で治療を受けた場合と同様、健康保険法の規定による療養に要する費用の算定方法によって算定される。  よって、海外で支払ってきた医療費の全額が支払われるとは限らない。
具体的には、実際に支払った額が標準額よりも大きい場合は、標準額から被保険者の一部負担金相当額(2割ないし3割の保険負担分のこと)を控除した額となる。また、実際に支払った額が標準額よりも小さい時は、実際支払った額から一部負担金相当額を控除した額が払い戻される。
なお、2割ないし3割の保険負担分である被保険者の一部負担金相当額が高額となる場合は、同時に高額療養費支給申請を行えば、さらに還付をうけることができる。
日本国内で保険適用となっていない医療行為は支給対象としない。現地の医療機関にて、治療内容が書かれた証明書、医療費が記載された証明書を書いてもらい、それぞれについて日本語翻訳文を添付することが条件となっている。

参考法令等

  • 健康保険法 第44条の2、第44条の3、同規則第53条
  • 昭和56年2月25日 保発第7号、第10号、庁保発第2号、第3号
  • 平成12年12月13日保発第222号

「海外療養費への特定疾患の適用について」

  • 兵庫県庁へ確認
    厚生労働省協議にかけてから回答したいとの回答 。
  • 厚生労働省へ確認
    特定疾患を利用するには、契約医療機関であることが前提となる。現在では、日本国内の医療機関を対象としている制度である。海外の医療機関が契約医療機関と成りうるかどうかについては、現段階ではありえない。

記:原稿執筆 2002-07-28  兵庫医科大学医学部付属病院 ソーシャルワーカー 野村裕美   記 現所属 同志社大学 社会学部社会福祉学科 准教授

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