患者とご一緒する皆様へ 

 イギリスではトイレの順番を変わって下さいという「ヘルプカード」があるそうです。この病気で障害者手帳を取れる方はごく一部です。ヘルプカードが無い現状とりあえずは障害手帳がその替わりになりますが、一般の方が障害者手帳を出されたからと言って本当にトイレの順番を変わる必要があるか、今の病気の世間認知度からすれば無理でしょう。

 患者は、様々な治療法を試み少しでも、社会生活(学校・職場等)で支障なく適応するために、さんざんな葛藤の末、人工肛門造説術を受けた方が、よりQ.O.L(生活の質)を上げると、ようやく自分で受容することが出来てやっとこのストーマというのを受け入れていることをご理解頂きたいのです。また食事を制限しているのは、好き嫌いからではありません。食べると調子悪くなる病気もあるのです。不意にあなたの何気ない言葉が、患者に取っては聞き流せることも多くありますが、場合によりナイフで刺すような暴言に感じることもあるのです。成分栄養剤と呼ばれる栄養剤は独特のいやな臭いがします。そんな飲みづらい飲料を好きで飲んでいるのではありません。より良い社会生活を送るために、患者自身が調子が良い状態を維持するために飲んでいるのです。夜間にその栄養剤を鼻からチューブを挿入して投与している患者もいます。1泊の出張でなんで、そんな荷物多くなるの?と思われるかもしれませんが、カバンの中には、栄養剤と栄養剤を体内に送り込む注入用ポンプ(医療機器)が入っているんです。海外ならミネラルウーオーターの手配から、ポンプの電源確保の為の変圧器なども必要になってきます。

マスコミにおかれましては、正しい医療情報を元に患者の生の声を聞いていただきたいと思います。日本では患者数が両疾患を併せて約10万人と少ないですが、アメリカでは約100万人の患者数がいると言われております。
最後に、我々を取り巻く壁をあげるときりがありませんが、貧血に対する配慮とトイレの問題だけは健常者の皆様に切にお願い申し上げます。我々の取り巻く環境は結構厳しいものです。皆様の暖かいご支援をお願い致します。

 アメリカでは、クローン病財団が100万$の寄付金を受け、ブッシュ大統領 母上(息子が潰瘍性大腸炎)が出演し、TV・ラジオ等で社会認知キャンペーンが全米で2003年8月に行われたことがあります。日本でも、社会的認知が上がれば少しは、生活しやすくなるかもしれません。

追記: 略語として「炎症性腸疾患」=IBD、「クローン病」=CD、「潰瘍性大腸炎」=UC、「成分栄養剤」=ED

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