クローン病患者の自己受容と支援関係の研究
−病識との関連− 梅花女子大学文学部 人間福祉学科 石橋亜耶

自己受容と支援関係の測定方法

分析方法については割愛させて頂きました。

結果と考察
(1)自己受容の実態
自己受容の質問項目15問を病前・病後の回答別に円グラフで表わしている。
全体の尺度としては病前・病後に大きな変化はみられず、クローン病発病後の自己受容の変化はあまり期待されない結果になった。しかし幾つか数字の上で注目される尺度があるので、後でとりあげて述べたいと思う。したがって大差のみられない尺度に関しては、説明を省くことにする。
図3−1−1
図3−1−2
図3−1−3
図3−1−4
図3−1−5
図3−1−6
図3−1−7
図3−1−8
図3−1−9
図3−1−10
図3−1−11
図3−1−12
図3−1−13
図3−1−14
図3−1−15
いくつかの項目をピックアップして述べてみたいと思う。
1の「私は非常に陽気な人間だ」の回答は病前から病後にかけて僅かであるが「あてはまる」が減り、「あてはまらない」が増えている。
また12の「私はどんな人間とでも無理なく付き合える方だ」の回答も、病前から病後にかけて「あてはまる」が減り、「あてはまらない」が増えている。この2つの項目は15項目中比較的ポジティブな内容であり、両者とも開放性因子である(注)(4)。この2つの項目の結果から発病後の自己受容の開放性が低くなっていることが伺える。次に3の「私は困ったときでも人に頼らない方だ」については病前から病後にかけて人に頼る傾向がみられる。
6の「私は人からよく思われたいという気持ちが非常に強い」は発病後に「あてはまる」が減り、「あてはまらない」が増えている。これは自己中心性因子である(注)が、データの上で自己開放傾向にあるということから、病気の受け入れと共に自己をも受け入れる傾向があることが推測される。
7の「私は自分の感情をあらわさない方だ」は病後にかけて「あてはまる」回答が減り、「あてはまらない」回答が増えている。
8の「私は自分に厳しい方だ」は病後にかけ「あてはまる」回答が減り、「あてはまらない」回答が増えている。この2つは真面目さ因子(注)として表現される。だがここでは病気による影響を考え、発病後の生活の中で自分自身に対して無理をしないようにコントロールしているのではないかと考えている。
5の「私は自己嫌悪におちいりやすい」は病後に「あてはまる」回答が増えている。
15の「私は自分について悩みやコンプレックスがある」は病後に「あてはまる」回答が若干増えている。この2つは非常にネガティブな内容であるが、発病後の増加傾向をみてみても、病気を原因として起こり得ることでもある。クローン病は遺伝的原因がまだ明らかとされていないので中途障害と考えるが、その病気を持ったことでその後の人生への不安、日常生活や人付き合いの上での不安や不適応が自己嫌悪やコンプレックスという形として表れているのではないだろうかと推測される。
【(注)…いずれも第3章第2節参照】

以上が統計データでみた病前・病後の自己受容の実態であるが、次に自己受容をメディカルソーシャルワーカー(MSW)が取り扱った具体的な臨床例(の要約)とともに説明したいと思う。


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