| 13.あなたは家族以外の職場あるいは学校などで病気のことを話すことがありますか |
| 約6割が病気のことを話しているという結果となった。話す、話さないは患者本人の意志によるものだが、周囲に話しているということで周囲からの無理なストレスは軽減されると思われ、患者本人の負担も軽いと考えている。しかし病気のことを話したからといって必ずしも理解が得られるというわけでもない。そのため例えば社会生活でも病気の理解度が低いことを原因に、つい相手に合わせて無理をしてしまうという結果を招いてしまうことも少なくない。また就職の際に病気のことを話すかどうかという問題についても、採用への影響を考えて患者本人を悩ませるところである。病気のことを周囲に知ってもらうことで患者への外的ストレスは軽減するかもしれないが、内的ストレスがその分存在し得ることも頭に置いておかねばならないと思う。外見ではわかりにくい病気であるので、「病気のことを周囲に話さないでもうまくやっていける」というケースもある。これは患者本人の意志、性格、環境によるところが大きい。患者本人のQOLのことを考えると無理はさけるべきであるので、クローン病の社会的認知の拡大と理解を少しでも近い将来に願いたいところである。 |
図3−1−29 |
| 14.クローン病を支援するソーシャルワーカーの存在が必要になることはありますか |
| 結果は、ソーシャルワーカーは「必要ない」という回答が約6割あり私の期待に反するものであった。自由回答の中には「ソーシャルワーカーとは何なのか知らない」とのコメントもあり、まだまだその存在は知られていないということもあるようだ。確かにクローン病患者に対する支援は、ほとんどが医師や看護婦、栄養士、薬剤師によるもので、ソーシャルワーカーの必要性をあまり感じない人が多いのかもしれない。比較的社会生活で自立しているクローン病患者に対する支援は、現実としてあまりないと考えて良いのだろうか。現在ソーシャルワーカーへの質問として多いのは身障者手帳、その他各種保険についての説明等だという。(5)ソーシャルワーカーの活躍としては、講演会や患者会集いへの参加、勉強会への参加もあげられる。また各種手続きの説明以外にも個人的な相談としても利用が可能である。患者のQOL向上のためのアドバイスも可能であると私は考えている。また患者本人だけでなく、その家族のケア、特に発病後まもない患者や家族のケアは必要があるのではないだろうか。医師や看護婦・栄養士・薬剤師と連携し、専門的立場から患者を支援する存在としてこれからその活躍を注目したい。如何にクローン病患者を支援することが出来るかをもっと追求すべきであると考えている。 |
図3−1−30 |
| 15.クローン病に関して調べる場合の主な情報源は何ですか |
| 患者が情報源として一番指示するのが医師や看護婦の話だった。確実性や信頼性があり、詳しい話も聞くことが出来る。次いで多かったのがインターネットである。医師によって編成されている炎症性腸疾患QOL研究会(JFCC)のホームページ(6)や各患者会のホームページ、個人のホームページなど頼もしい情報源となっている。患者会などの会報やクローン病患者の話からは、患者の体験(記)が指示されている。医師や看護婦からは得られない経験者による様々な方法をそこから取り入れることができるからであろう。その他については「医療講演会」という回答があった。日本各地で行われている講演会への出席は直接専門家の話を聴くことができる貴重な場であり、その必要性は大きい。原因不明な病気ということもあり、患者は常に情報に敏感でいる。そして新薬の開発や病気の研究へ大きな期待をかけている。医師をはじめ、看護婦、栄養士、薬剤師、ソーシャルワーカーなどの専門職からの積極的な患者への情報提供は必要であると考えている。各専門職別に、また連携という形をとっては行われる情報提供の機会が増えることを願いたいところだ。 |
図3−1−31 |
| 16−a.あなたが食事をするとき主に誰が料理しますか |
| 症状によって食事の有無がある。食事との関連が深い病気であるので、料理の内容も工夫が必要となる。患者の食事内容への不安や要望は非常に強く、栄養士による支援は不可欠なものとなっている。支援関係の自由記述では外食を敬遠する傾向が顕著にみられた。そのため食事が家で行われることが多いようで、その際の料理は自分で行うという回答が一番多く、約4割ある。次いで多いのが母親、そして配偶者・恋人である。食事と深い関連のある病気であるので、その料理に関わるものは重要な支援者であると考えたい。人間として食べるということは大切な行為である。患者の要望をくみ、可能性を広げるためにも栄養士の活躍に期待している。 |
図3−1−32 |
| 16−b.あなたがエレンタールをするとき、主に誰が作りますか |
| エレンタールを使用している人はほとんどが自分で作っていると私は予想していた。大多数約8割はそうであったが、中には「母親」「配偶者・恋人」が作るという回答も少数派ながらみられる。理由としては体力的負担の軽減があるのではないだろうか。エレンタールは多くの人が夜間に行うため、例えば仕事から帰ってきてから作るのはしんどいということがある。そのため本人への支援として配偶者・恋人や母親によるエレンタール作りがみられるのではないかと推測している。 |
図3−1−33 |
| 17.あなたが入院した場合おもに見舞いに来るのは誰ですか |
| クローン病になったことで多くの人が入院生活を経験していると思う。見舞いに来る人は患者にとって特にメンタル面で大切な支援者であると考えている。結果では「母親」と「配偶者」がそのほとんどを占めていた。 10代で発病した場合、病気の受け入れ、葛藤によって見舞いに来る両親に対して反抗的な態度を示してしまうことが自らの経験として、また他のケースとしてもみられる。 |
図3−1−34 |