潰瘍性大腸炎

内視鏡検査(大腸ファイバー)やX線透視画像では、病気が悪化している期間には、「大腸全体的にかつ連続性にびらんや潰瘍が見られる」、「腸管が細くなる」「大腸のひだが消える」などの所見が認められ、症状の治まっている時期には、腸管の細くなっていた症状が戻り、大腸のひだが出現し、炎症性のポリープが確認されます。

 初回発作型や再燃緩解型、慢性持続型で、再燃緩解型が全体の85%を占めており、常に大腸摘出手術を受けていない人は、再燃することを肝に銘じておいたほうが良いでしょう。
 重症度の分類では、1)下痢の回数、 2)粘血便(血便の有無)、 3)発熱、 4)頻脈、 5)貧血、 6)赤沈と補助項目として白血球の値や腹痛の有無で判断されます。
重症度は、軽症、中等症、重症、劇症に分類されます。

軽症は、下痢は、1日4回以下で若干の血便が見られる程度でその他の項目は正常の場合です。中等度は、軽症と重症の中間の症状です。重症は、1)下痢が1日6回以上、2)血便あり、3)37.5度以上の発熱、4)脈拍が1分間に90回以上、5)ヘモグロビン10g/dL以下、6)赤沈は30mm(1時間値)以上の場合を言います。劇症は、1)下痢が1日15回以上、2)血性下痢、3)持続する38度以上発熱、4)、5)の項目は重症と同じ、白血球が10,000/mm3以上の増加があり、強い腹痛を伴います。

 長期経過観察例では、全大腸炎型および病気になり10年を超えるとガンになる可能性が高いようです。大腸内視鏡診断を1年ないし2年に1回は受けたほうが良いでしょう。
 潰瘍性大腸炎の診断は、X線所見、内視鏡所見、および生検組織所見などから総合的に判断されます。除外すべき疾患としては、細菌性赤痢、アメーバー赤痢、日本住血吸中病、大腸結核などの感染性大腸炎および放射性腸炎、虚血性大腸炎、肉芽腫性大腸炎、クローン病です。一番重要なポイントはクローン病との鑑別です。

 治療は、薬物療法として副腎質ステロイド、サラゾピリン、ペンタサ、免疫抑制剤、抗生物質などが使用されています。その他、栄養豊富な食事で、乳製品や繊維(水溶性食物繊維を除く)に気をつけ、頻繁な下痢に対し、電解質や水分の補給や輸液やエンシュアリキッド、ラコールなどによる経腸栄養剤が必要になる場合もあります。

施設によりクローン病と同じくエレンタールを処方されている場合もあります。

下血を繰り返す場合には、輸血も必要になります。
 外科的処置には大出血をし、輸血をしても間に合わないような場合や、巨大結腸穿孔(キョダイセイケッチョウセンコウ)、もしくは癌化あるいは、再発を繰り返す場合に手術が必要になります。手術を1回のみで終了させる場合もありますが、人工肛門(ストーマ)を作り、2回に分ける2期分割手術や3期分割手術がありますが、手術器具の進歩もあり現在は2期分割手術が多いようです。潰瘍性腸炎で作られる一時的な人工肛門(ストーマ)は自治体からの給付金は出ないところがほとんどです。たまに裕福な自治体では出ているようですので駄目もとで聞いてみるのも良いかも知れません。

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