タクロリムスの使い方|潰瘍性大腸炎

札幌医科大学附属病院 第一内科 教授 仲瀬裕志先生

はじめに

タクロリムス(プログラフ®)は臓器移植の領域で広く使用されてきた免疫抑制剤の1つであり、慢性関節リウマチ、重症筋無力症、ループス腎炎などの自己免疫疾患の治療薬としても使用されています。我が国において2009年7月7日、難治性(ステロイド抵抗性、ステロイド依存性)の活動期潰瘍性大腸炎(中等症~重症に限る)に対するタクロリムス使用が保険適応となりました。経口タクロリムスの潰瘍性大腸炎治療について今回は述べさせていただきます。

タクロリムスとは

1984年 筑波山麓の土壌から分離された新しい放射菌Streptomyces tsukubaensisの代謝産物に強力な免疫抑制効果のあることが確認され、開発番号FK506として開発研究されはじめた。これがタクロリムスであります。タクロリムスはマウスリンパ球混合培養(MLR)や細胞障害性T細胞の誘導、さらにIL-2,IL-3およびIFN-γの産生をシクロスポリンの約10分の1量で抑制することが報告されました。1989年米国ピッツバーグ大学のStarzl博士らにより、移植領域におけるタクロリムスの臨床応用が開始されました。その後、この薬剤は慢性関節リウマチ、重症筋無力症、ループス腎炎などの自己免疫疾患の治療薬として適応が拡大されていきました。

2010年、我が国においてタクロリムス水和物(商品名:プログラフカプセル0.5mg、同カプセル1mg、同カプセル5mg)に「難冶性(ステロイド抵抗性、ステロイド依存性)の活動期潰瘍性大腸炎(中等症~重症に限る)」の適応が追加承認されました。

治療方法

適応疾患:難治性(ステロイド抵抗性、ステロイド依存性)の活動期潰瘍性大腸炎患者(中等症~重症)に限るとなっています。なお、タクロリムス製剤には、顆粒剤、カプセル剤、注射液があります。今回、潰瘍性大腸炎に適応が認められたのは、カプセル剤のみであります。

ステロイド依存性潰瘍性大腸炎とは、プレドニゾロンの減量に伴って、症状の増悪または再燃が起こりステロイド剤が中止することができない症例。
ステロイド抵抗性潰瘍性大腸炎とは、ステロイドによる適正な治療にもかかわらず、1~2週間以内に明らかな症状の改善が得られない症例。

治療効果発現期間:タクロリムスは投与開始後、血中濃度を適切に保つことができれば、わずか2~3日で効果発現が認められるという非常に即効性のあるお薬です。

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