潰瘍性大腸炎|外科治療について

なぜ手術が必要なのか?

免疫システムの異常により大腸粘膜が炎症を起こしていますので、大腸を取り除いてしまえば根治すると言えます。この病気は本来良性の病気であり、なんでもかんでも手術をして切ればいいというものではありません。しかし、良性であっても手後れになると生命の危険を伴い場合によっては、例え手術により潰瘍性大腸炎が治っても腸管外合併症が治らず障害を残したりします。 *1.

手術適応例とは

潰瘍性大腸炎の外科治療は重症(大出血、中毒性巨大結腸、穿孔)、難治性(ステロイドに対する副作用、効果不良、大量投与例)大腸癌の合併、小児の発育障害(骨端線が閉じるまでに行います。)、腸管外合併症[大腿骨頭壊死(ダイタイコツコツトウエシ)、壊疽性膿皮症(エソセイノウヒショウ)、関節炎]などに対して行われています。

緊急手術では、救命を優先し、結腸全摘、回腸人工肛門造設が行われます。待機手術は、大腸粘膜の全体を取り除き、肛門機能を温存する大腸全摘、回腸嚢(ノウ)肛門吻合術が広く行われています。

累積手術率はどうなっているのか?

厚生省特定疾患研究班に属する9施設の1973年~1990年の778例中114例(14.6%)が手術を受けているそうです。この数値は欧米と比べ低いのだそうです。発病の年数でみると5年で約10%、10年で約15%、15年で20%だそうです。患者さんの発症年齢には関係なく、全大腸炎型、急性電撃型、重症、劇症とだんだん手術率が高くなるようです。

病変部位でみると、直腸炎型、左側大腸炎型では、手術率は低いが、全大腸型では、発病5年で約20%、10年で、約30%15年で40%と高率になっています。
臨床経過でみると、再燃緩解型では、13.7%、慢性持続型では21.5%急性電撃型では72.7%でした。発病後5年を過ぎると難治のために手術となり大腸癌やディスプレジア(ガンを合併した潰瘍性大腸炎の大腸粘膜にみられる上皮のある種の変化。ガン病変と似た病変です。) などのために手術となります。

白血球除去療法/顆粒球除去療法が、1999年末に認可され、更に2010年、抗TNF-α治療薬が認可されたことも影響し、累積手術率は低くなってきているようです。

手術適応

潰瘍性大腸炎の手術適応は大きく分けると重症、難治、大腸癌、ディスプレジア、腸管外合併症の4つになります。
1)重症
穿孔、大量出血、中毒性巨大結腸およびこれらに関係のない重症発作があります。
穿孔は大量のステロイド投与中に起こることが多いようです。しかし穿孔の場合症状が出にくいことがあります。急速な脈拍の増加や腸雑音が著しく減ることがあれば、穿孔を疑います。聴診器をあてているのにも意味があるのだなと初めて実感させられます。遊離ガス像の有るか無いかをよく調べて穿孔もしくは疑いがあれば手術の適応となります。

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